音・岩・光

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16022017

これまたこないだからの続き。とは言え、前回から既に3ヶ月以上経ってしまっているけど。。。

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前回はここまで来たところで終わっていた。裏板を外すと、表板の内側についている力木たちが姿を現す。ギターのこれらについては全く判らないが、手持ちのMartinGuitarから思うに、これではあまり意味をなさないように思える。少しばかりの強度はもたらしているけれど、音(振動)の伝達はこれでも伝わっていくのか。まぁ安いギターなのでそんな感じなんだろう。

そして興味深いのは木材の選択だろうか。表・裏板や横板は合板が使われているけれど、ブロック材(上と下についている長方体材)は非常に良いものが使われていたのには驚いた。丸太から板目に材をとると、運よく柾目でとれる場所が発生するのと同じ理屈で、この個体だけそうだったのかも知れないけれど、年輪・繊維の向きや間隔など、チェロにも使えるんじゃないか?と思うほどのものだった。

指板も合板や染色してある材でなかったのも驚き。SUZUKIや中国製の安いヴァイオリンの場合、指板に使われている黒檀(エボニー)は、たまに色を塗ってあるものがある。これはそういうものではなく、目は詰まっていないけれど、鋸でCutしている時の手に伝わる感覚は並材のエボニーそのもので、大鋸屑も黒檀っており、安いギターはどこに手と材を抜き、どこには譲らずに製作されているかが判ったのは収穫だった。本来の目的はそこではないんだけど、何かをすると何か発見があるのだから、やらないよりはやったほうがいいんだろうな、と。




1枚目の写真から、今度は表板をも外して空洞ギターにする。裏板は簡単だったけど、表板の場合は指板が接着されているのでちょっと手強い。外した写真を撮り忘れてしまったので映像がないけど、ヴァイオリン製作で内枠を外したところに似ている感じ。そしたら裏板の内と外を逆さまに、要は板をひっくり返して表板側に貼り付ける。何でそんなことをするかと言えば、完成形がそうだから仕方がない。工場製の安価ギターなので、機械で切られて正確な左右対称になっているかと予想していたけど、若干の歪みがあったことも収穫だ。なかなかに発見があって楽しい今回の工作。

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ライニングは表板のものをそのまま使用
クランプの本数が少ないけど、演奏に使うわけじゃないのでこれくらいで充分


接着が終わったら、ようやくここから棚板作りが始まる。んだけど、その前に内側を白で塗る、と。ひっくり返して貼り付けた、ローズ色の裏板とのコントラストもバッチリで、この辺まで来ると完成形がイメイジできてくるので作業が楽しくなってくる。タイトボンドで接着されているのが判るボトム側のブロック材は、外すのに難儀することが明らかに予想されたので、そのままにして隠してしまうことに作戦を変更。一番下の棚が平ら(水平)になるし、強度も増すので一石二鳥と言ったところか。その分、表板を切り出したりライニングを避けるように棚板を切り出すなどの余計な工程が増えてしまった訳だけど。。。


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そしたら今度は2段目3段目の棚板を切り出していく。曲面に沿って隙間の無いように、しかも棚板が手前・奥で水平になるように切り出すのは面倒くさいけれど、ヴァイオリンのネックリセットのモーティス削りに比べたら随分楽なもので、順調に進んでいった。棚板も全部白で塗るわけではなく、下面は表板側に貼り付けた裏板のローズウッド色と合わせてみたけど、なかなかいい感じになり独りでニンマリ。下写真の一番上に来る棚はギターのくびれより上に来るので、隙間なしに成形すれば落ちることはないので、問題は2・3段目といったところか。



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解決策として日本の床の間方式をとれば、接着面積が増えるので荷重にも耐えられるようになるのでは?という目論見で、棚数は少なくなるけど段々をつける方式を採ってみることにした。折角なので、今あるインテリアが綺麗に入るように寸法をカスタマイズ。それをしながら2つの棚が平行・垂直・水平になるようにするのは少々骨が折れたけど。でも、後々になってみると、強度的な部分が果たして功を奏しているのか、ちょっと微妙。。。



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縦方向の材を切り出しているところ
ここに関してはCraft感がとてもある場面だった


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一応の完成形
香の瓶とインドの木像がピタリと入るようになった
2段目にはダリのオブジェが入りそう





棚はこれで完成したけど、ここから更に木製の専用ギタースタンドを作って直立不動するようになるまで、更に1週間。Misaoさんはヨガの修行に出ているので作業は進むんだけど、肝心の見せたい相手がいないのはモチベーション維持が大変である。という訳で、Upcycle第2弾はこれにて無事終了。




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by Tashinchu | 2017-02-16 17:00 | Craft | Comments(0)

02022017

Dirty ProjectorsのTemecula Sunriseという曲。ギターやリズムの素は何処からやってきているのか。厄介なアルペジオでギターを弾きながら唄うとか、両手の指と口・喉との連携を脳みそがどんな風にやり取りしてるんだろう。Owenもそうだけど、超絶技巧とかよりもこういった演奏の方が魅かれてしまうな。Indianpaintbrushが歌詞に出てくるところにも。テメキュラからの日の出、見てみたい。







原曲はこっち



Temecula Sunriseはこんな感じ



Temeculaの日の出、タイムラプス
気球が飛んでいたら最高なんだけど


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by Tashinchu | 2017-02-02 19:30 | Music | Comments(0)

06012017

ジブリの興奮冷めやらぬ中、その足で騒弦へ。ただその前に、駐車場を出て他の打ち止めへ移動する必要がある。改めて地方都市が車社会なんだということに気付かされる。金曜の夜だったけれど、お正月休みが終わって初めての週末前夜は、そのまま帰宅する人が多いのだろう。満車の打ち止め駐車場は皆無といって良いほどで、苦もなく駐車を完了することができた。そこから歩いて騒弦へ向かうのだけれど、歩いてみると、自分が覚えているお店がどんどん変わっている、もしくは閉まっていることに気付く。それに変わって台頭してきているのがコインパーキング。10歩歩くと次のコインパーキングが見えるくらいの乱立ぶりで、しかも5台とかしか収容できない小型のものが多いことにも気付く。店が減り、テナント料を回収できないくらいなら、駐車場にでもしようかという地主さんの思いが見え隠れしているように感じられる。でも、店が少なくなったら街へ出てくる人も減る気がするんだけど、いよいよ空洞化が始まってしまったのではないだろうか。

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4月のライヴ以来だったけれど、変わらずにこんな感じの店内。声をかけてみた2人は既にカウンターに座って雑談中だった。americanfootballの新譜がBGMで流れているニクイ演出を受けつつ、店長との4人で新年の初音だしがスタート。ノダフルタやアドバルーンの曲を本人を交えて歌ってみたり、americanfootballとMike Kinsellaを引き倒すだけの時間。4人全員が違うバンドをやっていて、バンド以外のところで出す音というのは、何か違う印象の音に聞こえてくるのが面白い。この人の手癖はこのバンドを聴いていたからなのかとか、バンドの楽曲だけでは知りえない情報なんかが判って楽しかった。



だらだらと引き続け、気付けば日付変更線が傍までやってきた辺りで解散。2年連続でアメフト/オーウェンな音出しになってしまったが、来年に向けて課題曲も出来たし、ちょこちょこ耳コピも進めてみようかと思っている。久々に使うFishmanのピックアップの調子も良かったし、オープンバックのペグに換えてから初めて、アンプから音を出してみたけれど出音も以前とは変わっていて興味深かった。音を更に詰めていくことはしないだろうけど、倍音の出方やサスティンの感じがアンプからも反映されていて、生音でもアンプ出しでも行けることが判ったのは収穫だった。集まってくれた皆さん、ありがとう!また来年の音出しもよろしくお願いします。


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by Tashinchu | 2017-01-06 21:30 | Music | Comments(0)

16122016

Rのテールピースが目印のRickenbacker620。同じようなタイプの325にはアームが付いていて、音をうにょうにょさせたいときにそれを使う。620ではそれは出来ないので、今までどうしてもそういった感じの音を出したかった場合は、ネックをベンドさせる(折れそうで怖いのであまりやりたくない)かRテールピースを押したり引っ張ったりしていた。でも、そんなのではたかが知れている訳で、結局アーム奏法はやりたくても出来なかったのが実情である。


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そんな訳で今年、サンタにお願いをしたのはBigsbyB5C。男子はメカメカしているのがとにかく好きなのだ。浅野の般若心経もかなりエグイ感じになること間違いなし!

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ネームプレートもクラシカルな装いになって、ペグをいじってヘッドもスッキリしたし、ビグスビーがついたら更に格好良くなったと自画自賛。ピックアップとブリッジに出ている、錆びやメッキ剥がれとピカピカのB5Cとのアンバランスさが、、、だけど、あと3年もすればいい感じに錆びれてくるはずなので良しとしよう。リッケン620は巷に沢山生息しているけど、これで他者とはひと違う躯体になってくれたのではないかという気がしている。

肝心の音はというと、ブリッジからB5Cへの弦の落ち込み角が上がったので、テンションが増してパリッとした生音になった。またRテールピースは宙ぶらりんだったけど、B5Cはネジで留まっているのでサスティーンにも少なからず影響が生じていると(今のところの印象ではそう)思われる。これに関してはもう少し弾き込んでみないと判断するのは難しいところ。リッケンバッカーはアタック直後の「ジャキッ」から、すぅーっと消えていく感じが音の特徴なので、これが殺されてしまっては意味がないけど、その昔にサスティンを上げようとあれだけ頑張ったのに全く改善しないんだから、B5C装着でサスティンが向上することはまずないだろう。

B5Cの質量がボディのボトム部に加わったことで、ボディの重心バランスも以前とは明らかに変わった。これがネックの振動やボディの振動にも影響を与えていることは自明で、生音でも音が変わっているんだからアンプからどんな音が出てくるのか楽しみで仕方がない。この辺をしっかりと突き詰めていくと、他のエレキギターやアコギ、はたまたヴァイオリンにも使える部分が出てくるのではないかと思う。弦楽器について(軽く)学び生業としていると、素材や密度が音に与える影響が建設的に見えてくる(ような気がする)。

あと、いい音というのは千差万別で、また主観的であり、「おおよそ普遍的な良い音は存在し得ないのではないか」と思うのが2016年に導き出せた収穫といってもいい。あるタイプのいい音を強制して、それ色に染められてしまった第3者は、普遍的な良い音として認識してしまう危険性をも孕んでいるし、それを詐欺に限りなく近い商売にしてしまうのはどうかとも思う。それが大多数になったときには、バイアスの掛かった音が「良い音」になってしまうし、などなど。なかなかどうしてな問題だろう。


話は少し変わって、


AIの物申す事柄はまだマイノリティだけど、近い将来にAIの技術が更に進んで、例えば「自動運転VS人間の運転」でAI運転での事故がゼロになってしまった場合とか、AIが必要善になった場合に社会はどうなるんだろうと考えてしまうことがある。この例えの場合は、その方が断然に良いわけで、自動運転の自動車保険はウンと安く(もしくは無くなる!?)可能性もある。逆に人間運転の保険はべら棒に高くなることもあるだろう。もしくは更に進んで、自動運転以外は違法となってしまうことすら考えられる。

そういった感じでAIが社会に浸透して、AIの判断や仕事が人間よりも正しかろうと認識される、つまり大勢を占めている世界になった場合、いままで人間が正しいだろうと感じる倫理の事象に対して、真っ向からAIが対立するような物言いをした場合に、ヒトはどう判断を下すのだろうか、その辺に興味がある。「良い音」に対しての操作についてや純粋な「良い音」の問いに対する答えをAIは与えてくれるんだろうか、判断材料をもたらしてくれるんだろうか、知りたいけど知りたくないなぁなんて、今回のBigsby装着前後の音について考えていたときに妄想は広がっていったのでありました。


話は戻って、


Bigsbyを取り付けると、その後に必ず引き合いに出されるチューニングの不安定さの問題について。自分の楽器についているブリッジはオリジナルのもので、それが乗っている状態でうにょうにょしてどうか?となると、やはり2や3弦辺りのズレが出てくるのは仕方がないだろう。ブリッジを換えるか加工することで不安定さを潰すしかないと言った感じ。ただ、運の良いことに(なのか?)ムスタングのトレモロアームで慣れているので、チューニングがズレた状態から元の状態にアーミングで戻す方法を会得しているので、そこまで心配しなくても良いだろうという安心感はある。ムスタングで使った方法がビグスビーでも使えるので今のところはこれで良いし、いつになるかは判らないけど、今後ブリッジを加工してみようかなと思っている。

結局は趣味のギターなので、自分の好きなようにやれば良いし、良い音だって自分の主観バリバリのいい音にすれば幸せなことに変わりはない、っちゅうことだろう。しっかし格好良くなったなぁ~とケースを開けてはニマニマする日が続いている。

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by Tashinchu | 2016-12-16 09:30 | Instruments | Comments(0)

30112016

匂いの記憶は一瞬にしてその頃の細かなことまでも蘇らせる力を持っているけど、それと同じくらいに当時の懐かしい記憶が蘇ってきた。

静岡と東京で活動していたとあるバンドのI君が新にバンドを始めていたようで、その音源がSoundCloudに上がっていた。

いつもながら素敵な歌声とコード感。バンドは変わり(ギターは一緒らしい)メンバーは変わったけれど、メロディと声を聴けば一瞬にしてI君だと判る。ライヴがあったら必ず行くと決めた。ノダ君然り、静大出身者は声とメロディにしっかりとアイデンティティがあるように思う。そんな訳で、他にも色々あったけど音楽関連の情報が多かった11月末~12月頭。ギター熱が上がってきているので、ノダ君の曲を同じくSoundCloundにあげた11月最終日。






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by Tashinchu | 2016-11-30 10:00 | Music | Comments(0)

05112016


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仕事を定時で終えて、向かうのは山手線のほぼ反対側よりも先。お目当てのherpianoには結局間に合わず、お茶の水辺りで出番終了の連絡をもらう。それでもレコ発なので、先行発売されるCDだけでも手に入れようと、小岩へ歩みを進めた。WE ARE!時代しか知らないけれど、初めてperfectlifeを観戦。普段は非常に近くでお互いに活動(僕は仕事・向こうは住んでる)しているのに、会うことがなかった友人と久々に再会してみたり、外に出るのは刺激がある。

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翌朝にはこの日に仕入れたアルバムを2枚、iPhoneに投入して早速出勤している。3人になってからのherpianoが以前にも増して、洗練されて凝固してきているのを感じるアルバムだった。しゅんたの16分のハイハット打ちと、8分のまりぷーさんのベースラインは、10年以上やってきているからこそ出せるもので、曲全体を聴かずともここだけでherpianoのアイデンティティを感じることが出来ると思う。しばらくこれだけ聴いて、もう少し新たな発見を探すことにしよう。



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Amazonの中古CD検索は危険なのが判る写真左下
Asa Festoonの1枚目を10年掛かって購入
これまた良い





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by Tashinchu | 2016-11-05 20:30 | Live/Concert | Comments(0)

04112016

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恒例となってきた文化の日周辺の九段下詣で。仕事前に行ったので、会場から1時間だけしか居られなかったけれど、でもそれくらいの時間だけで充分なのかも知れないと思った。

弦楽器フェア2016の会場は、日本武道館の横にある科学技術館で毎年行われている。弦楽器フェアもいいけれど、文字通り科学的なことを展示しているそちらのイベントも非常に気になった。入口横のお土産屋さんでは、子供用の宇宙服(船外用ではないけど)が売られており、スペースシャトルシステムの乗組員の写真で彼らが着ている、オレンジ色のアレが精巧に子供服になっているとかなり格好良く見えた。誕生日でもあるし、初の甥っ子へのプレゼントでも、と考えたけれど値段が値段なのでスルー。

学校時代の先生やスタッフ、代理店の営業の方たちとひと通り挨拶を交わして、目当てのペグセットを探す。4本で1,000円のツゲ材ペグを手に入れることが出来た。ぼっそぼそなんだろうけれど、音がどれくらい変わるのかだけでも判れば儲けものなので時間があるときに試してみようと思う。

会場は初日の開始直後だったこともあって混んではおらず、快適に会場内を周ることが出来た。日本弦楽器製作者協会会員製作作品やそれぞれの出店が展示する、楽器を熱心に試奏している姿はいつもの通りで、騒がしい中でも音の良し悪しは判るのだろうかと考えてみたりするのもいつもの通り。風物詩といえばいいのかも知れない。

今回の収穫は、そのツゲ材ペグと次の月曜日にある講習会の情報をGetできたことだろう。月曜日が休みでよかった。

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by Tashinchu | 2016-11-04 10:00 | Instruments | Comments(0)

01112016

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ふと思い立って、ギターの箱開けを
まだまだ先の話だけど、完成が楽しみなのです





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by Tashinchu | 2016-11-01 09:00 | Instruments | Comments(0)

13102016

スイッチが入ったまま、その情熱をずっと持ち続けられるのは、能力なのかあるいは性格なのか。ある特定のことに対してはそうだけど、別にと思うものは、種火で燃やし続けることすら難しい。

Rickenbacker620のペグワッシャーを外して見た目はスッキリしたけれど、ずっと感じていたネームプレートがダサい件に関して、そのペグ周りの断捨離が上手く行えたので、勢いそのままに作ってしまえば良いのではないかと行動に移した。

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前回までのリッケン620



現行品を購入すると、僕が購入したのは既に15年も前になるけれど、トラスロッドを隠すためにヘッド真ん中で白く輝いているネームプレートは、その当時から写真のように白プラスチックにエンボスみたいな凸面で文字が浮き書かれた仕様で付いてきていた。ネットがまだ浸透していない2000年代初頭なので、何の疑いもなく「うぉ、これがリッケンバッカーか」と、ケースを開けてはニヤけ、を繰り返していたのを覚えている。が、それをダサいと思うようになってしまった経緯も含め、まず色々書いておくことにする。ちなみにシリアル#から検索すると、このリッケン620は2001年の第6週に完成しているらしく、つまりは2001年の2月5日~11日生まれということになる。


時代は進んで、リッケンバッカーの画像やらを見ていたとき、John LennonのRicken325のヘッド部分が僕のとは違う印象を受けた。モデルが違うからだと思っていたけれど、どうやら原因はそのネームプレートで、色々調べていく内にネームプレートにも時代の変遷があることが判明した。現行品は写真のようなものだけれど、当時は厚さ数mmの透明な板の裏面(ヘッドに触れる面)に白地の背景と黒い文字がペイント?されているものだった。つまり、鏡のように手前には透明なガラスの層があって、その向こう側に物体(鏡なら反射する銀色の部分)がある感じ。トースターでプラバンをやったことがある人なら、あんな感じといっても良いかも知れない。それを見てからというもの、現行品のプラスチックが如何せん安っぽく見え始めてしまったのである。


じゃ、楽器店に行ってGibsonやFenderのパーツのように買い換えればいいじゃんと軽い気持ちでいたんだけど、文字通り問屋は卸してくれなかった。リッケンバッカー社はいくつか種類のあるネームプレートを別売りしておらず、割れた・壊れたなどでパーツが必要な場合、壊れたものは本国に送って回収・交換するシステムをとっているのだ。日本の正規代理店がパーツを抱え込んでいるんじゃないかと、本国のホームページを見てみたけれど内容は同じものだった。


ならばオークション。でも、ただのプラスチック/アクリル板に20,000円以上の高値がついているのを確認したら、そのままラップトップの蓋を閉じるしかない。こういうときだけChinaコピーを期待してしまう、浅はかな日本人がここにいたりする。もちろんそれもなし。「仕方ない自作するか」の最終解答が導き出されてきた。

一応書いておくと、ネームプレートのRickenbackerのフォントおよびあの形状は登録商標されているらしく、営利目的で勝手に作るとよろしくない。今回は個人の楽しみの範疇なので、しかもオリジナル持ってるし、ストラップピンを変えるとかそんな感じで、ここを見てる読者も1日片手の数もいないし、、、と書いておくことにする。



という訳で、戦いの記録を写真の羅列で紹介しておく。

まずは楽器店に行って、ヴィンテージのリイシューモデルについているネームプレートをマジマジ観察して、それっぽい厚さのアクリル板を購入するところからスタート。プリンタという便利なものを持っていないので、シールになった黒いシートも文房具屋で購入。


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ネームプレートをコピーしてきて黒シールに合わせたら、輪郭を丁寧に切り出していく



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アクリル板にシールを剥がしてペタする




が!、ここで最初のミス。上の写真は判りづらいけど、アクリル板の下に文字が来るように黒シールを貼らなきゃなのに、コピー用紙を逆に貼り合わせてしまい、アクリル板の上に文字が来てしまった。。。1枚目の文字シールをもう一度良く見て、その接着面がアクリル板のどっちに来るかを考えると判ります。コピー用紙と黒シールを貼り合わせるとき、ちゃんと考えたつもりでいたけど、実際に妙な違和感を感じていたのはここだったのか!と納得。ま、商売じゃないから納期はないし、超面倒くさい細かい作業をもう一度やり直し。


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今度はしっかり底面に来るように切り出して、アクリル板を荒削り



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成形をして、ネジ穴をあけたところ
それっぽくなってきた


が!、ここで2回目のミス。楽器屋で気にしていたのは厚みだけだったので、よくよく画像を見返していると三角の尖っている部分は全て面取りされておらず、しっかり角が立っているではないか!しかも、これに気付いたのは上の写真のほぼ完成プレートに、スプレーで何度も何度も薄く白を重ねたその後という…。という訳で、もう一度振り出しに戻ってやり直し。ただ、スプレーをすると文字シールとアクリル板との粘着面に、白色が浸透して文字が細くなってしまうことが判ったので、少し太めにシールを切る必要があるのが判ったので良しとしよう。


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3回もやると腕は結構あがります
上が失敗(丸角・細文字)、中が完成、下がオリジナル



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完成





この作業、本当なら数日(スプレーがあるので)あれば出来るけれど、都合10日も掛かってようやく完成。その間には高尾山に2回も登っていたり、趣味っちゅうもんはのんびりできるからたまらんのです。また本来であればRickenの下(写真だと向かって右)に、現行プレートのようなMade in USAと細く書かれた文字があるけれど、そんな極小の文字を切り出すナイフ技術、は体得したいけど、は無いので潔く削除した。現行プレートのMade in USAの配置された場所と違うところも、またマニア心をくすぐるリッケン社のニクイ演出。買いもしないけど宝くじが当たったら本物のプレートを落札します。あとは、マイナスネジが欲しくなるといったところか。ヴィンテージのネームプレートはプラスじゃなくてマイナスネジが3本で留まっているようだ。USAの文字は気にならないけど、マイナスネジは換えたいかも。






今回の色々で新たな発見があった。それは、現行品ですら指板のポジションマークにも変化があること。僕のは最初に書いた通り2000年初頭の生まれで、三角インレイは指板の幅内に納まっているけれど、最近のものになるとそのインレイは指板幅全体に渡って埋め込まれているものに変わっている。丸型のポジションマーク(でもヴィンテージと現行品では直径が違うとかありそう)ではなくて、三角のポジションマークの場合は、指板幅いっぱいに埋め込まれている方がヴィンテージ感が漂うので羨ましい。他のメーカとは違って、リッケンバッカーの指板は何かの樹脂でコーティングされているので、これはもう諦めるしかないけれど、なによりネームプレートが変わって、ヘッド全体が格好良くなったのが一番嬉しい。


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自分のリッケン620


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Web上から引っ張ってきたリッケン620画像




ふと確認心をくすぐられて、椎名林檎さんのギブスのPVを見てみたけれど、彼女のギターも三角インレイは指板の全体に渡ってではなく、指板幅内に納まっていることが判明して、年代的には同じ頃に購入したんだろうななんてことが推測できた。色々調べていくと面白い事実に突き当たるものだ。しかも林檎さんのネームプレートはバッチリ尖っていたんだから、きっと同じようにプレートを変えているんだろうことまで判ってしまった。きっと自作ではなく、本物がのっていると思うけども。

こういうことには、ずっとスイッチが入ったまま進んでいけるんだけどな。ワッシャー外しも種火でずっと燃やせていたし。いよいよ残るは最後のあの部分。クリスマスの夜、サンタさんが持ってきてくれないかなぁと祈るばかりである。



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by Tashinchu | 2016-10-13 22:00 | Instruments | Comments(0)

30092016

9月頭の帰省時にハードケースで持ち帰ってきたRickenBacker620。新宿駅に着いたのが17時くらいだったので、もう少し遅くになっていたら満員電車内で相当に嫌な顔を周りからされていたように思う。今年の4月、5年以上振りに使用するためにケースから取り出したときに、ふとした違和感をヘッド部分に感じた。これは音についてとかじゃなくて、見た目のバランスが悪いなという印象で、どうやらそれはOM-21をオープンバックペグに交換したことが原因なんだろうことに程なくして気付いたのだった。


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ここで違和感を1つ感じる人は、メカ好き
2つの人はヴィンテージ好き



その後は、このデザイン的にイケてない部分を見るのがホントに嫌になってしまい、「とにかく交換だよ交換!」の意識ばかりが働いて、でも予算的にそれは無理なので、他の方法を探ることなく仕方なしにそのまま4月のLiveを乗り越えた。それからも、どこかで安い中古は出ていないか?とか、代理店に問い合わせて結局いくらくらい掛かるのか?などを調べていたけれど、今度はその回答で“ただ交換するだけは不可能で、ブッシュが必要になってくる”ことが判り、余計に経費が嵩むことが明らかになって思いはメルトダウンした。

心の片隅に眠っていたその思いが発酵して半年、その帰省中にもう一度マジマジ見てみたら、何となくだけどそのままこれを分解してしまえば出来そうな気がして、祈るような気持ちで持ち帰ってきたのが9月初旬。カナダ行きなどの準備で忙しかったので、そのままにしてあったけれど、帰国して部屋の換気と楽器たちの状態を確認するためにケースを開けたその勢いそのまま、ふと思い立って可能性にトライしてみた。


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正解はこんな感じ


あんなに悩んでたのに、ワッシャー取っちゃえば良いんじゃね?で解決するとは。。。4月に他の可能性を探っていたら、実際に会場の熱気や爆音にどう反応するのかも、このペグの仕様で試せていたのに。ひとつのことに執着すると、他(の方法)が見えなくなるのは勿体無い。今のところ、ワッシャーを外す前と後でチューニングの精度や不安はないし、とにかく黒と白・銀のバランスが非常に良くなったのが嬉しい!ワッシャーがボルトで硬く締められていたので塗装に痕が残っているけれど、そういうのは全く気にならないのが私の性格。今後その気持ちがどうなっていくのか判らないけれど、今のところ満足なのでこのまま使用して行こうと思う。

そうなると更に交換したくなってくるのがあの部分。ペグのつまみも小さいものに、ネジを緩めてしまえば交換できないものか、そしたらロトマチックの性能のままクローソンとかオープンバックっぽい見た目になるのに、とか考え出してしまうところだけれど、問題はそこでは無い。

今回のワッシャー外しは何とも上手く行ったので、そのまま勢いに任せて本当に交換したいところは(個人の楽しみの範囲内で)作ることにしましたよ。その辺の模様はおいおい。安っぽく見えるのは格好悪いからなぁ。







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by Tashinchu | 2016-09-30 22:30 | Instruments | Comments(0)