音・岩・光

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28102015

ネックヒール部の加工が終わると、次はボディ側に寸分たがわず詰め木を入れてる工程に移る。コの字の3面とボタンの底面の合わせて4面を隙間無く削っていく。何となくだけれど、ゲームをやっている感覚に近いかも知れない。ネックヒールの木々は大きくないし直角で合わさっているので、マリオ3で言うと比較的楽なWorld1とか2くらいな感じ。こちらは面も大きく直角に溝がある訳ではないので、角度を狂わせない(保ちながら)ようにしつつ幅を落としていかなくてはならない。World5とか6と言ってもいいだろう。ただ、マリオをずっとやっているとWorld6だろうが、そんなに難しくは感じなくなってくる。要は経験値なのだろうと思う。

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初めてのことなので、ゲーム感覚で言うと一難さってまた一難が続き、たまにマリオが死んだりする。けれど、残りの木材に余裕がある内はやり直しがきくので、マリオの残機がある内は次のWorldへ進めるところもそれに良く似ていると感じた。ようやくニカワ接着に到着すると、一応のセーブをしたような安堵感が沸いてくるので不思議なものである。ただ、ゲームとは違ってニカワ接着をしたとはいえ、ミスると前の世界からやり直しになってしまうので気は抜けない。




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この辺のカーヴ出しは、今度は同じマリオでもイタリア男子のマリオにならなければならない。女性が大好きなイタリア人(現地ではそんなに感じなかったけれど)の男達が女性の曲線美を見るように、このヴァイオリンのボディも素敵なカーヴに仕上げてあげる必要がある。イタリア人のカーヴや曲線に対する感覚は、ずば抜けていると思う。イタリアの車やバイク、靴やバッグなどがそうであるように、イタリアのクレモナでヴァイオリン作りが、隆盛を極めた理由も何となく判るような気がする瞬間である。

その4「ネック再接着」はこちら

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by Tashinchu | 2015-10-28 20:00 | Instruments | Comments(0)

24102015

せっせと表面の凹みをサンディング。この辺の平滑出しは、ヴァイオリンの方法がそのまま使えるので地道に進めていくだけである。その後、(あろうことかになるのだろうけど)シェラックニスでも塗ろうかと思ったけれど今回は見送り。元々のニスは随分厚く塗られていることに驚いた。最低でも5層以上はあるように見える。

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これを、
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こんな感じになるまで進めてみた。凹みが深すぎるところは放置。
とりあえずワッシャーの凹みが消え、全体に平らが持続しているように仕上げた。




お次はサンドペーパーの細かな傷をポリッシュを使って綺麗に磨き上げていく。
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Martinのロゴが薄っすら盛り上がってくるくらいニスが薄くなった。
まだそれでも充分すぎるくらいニス層は残っている。



ここまでやれば、例え新しいペグのブッシュ材の径が小さくて、元の凹みを隠せなかったとしても目立つことはないだろう。ニスニス言っているけれど、ラッカーと言った方がいいのだろうか。その塗装がもし剥がれてきたら、ヘッド部分だけでもシェラックニスでコーティングしてあげようと思う。ガットギターはシェラックのものもあるし、自然素材だから楽器にも優しいのでは?などと考えている。

いよいよブッシングに取り掛かれるところまで来た。ツゲで行こうかメイプルにするか、接着もニカワかタイトボンドか、色々と決めていく過程がたまらないのである。

その3「ブッシング」はこちら



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by Tashinchu | 2015-10-24 21:30 | Instruments | Comments(0)

22102015

ピックガード剥がしだけでは飽き足らず、遂にはペグをオープンバックに換えることにしてしまった。はてさて、音に関してどんな変化が表れてくるか楽しみなのだ。とりあえずの予想としては、ヘッドが軽くなる分サスティンは伸びないだろうことと、反応が少し早くなるのでは無いかということくらい。ネットには色々と情報があるけれど、あれは信用してはならない。先入観を持ってしまうと、結果に対しても先入観の混じった自分の主観が発揮されてしまうので、なるべく見ないように見ないようにという感じ。弦を新品に張り替えて少しばかり演奏を楽しみ印象を記憶した後、さっそくペグを外していった。



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既に20年近く経っているので、ワッシャーの痕や裏面にもペグ本体の痕がくっきりと残っている。新しいペグは、裏面痕のほとんどとネジ穴をカバーしてくれるので裏面に関してはそのままでいいだろう。表面に関してはニスが圧によって凹凸しているので、これは平面出しをした方が良さそうである。同じく表面の焼け(だと思う)に関しては、新しいペグの方が径が小さいので隠しきれないけれど、タッチアップするほどのことでもないので放置。Raccoon Eye(目の隈・パンダの目のよう)になってしまうけれど、それはそれで味ということで。




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という訳で、今回交換するペグはGOTOHのSE510Wに決定。汚れを寄せ付けない滑りの良いX-Finishバージョンもあったけれど、どれくらい違いがあるのだろう。問題はペグ穴が2重で開けられているところだろうか。最初の写真の通り、元々ロトマチックが付いていたので、そういう加工がしてあったのは良しとしよう。ただオープンペグの部品寸法に対して既に開けられている径は、ネック表側で狭く裏側で広いという面倒くさい開き方をしており、ブッシングに関して面倒な加工をしなくちゃいけない(と勘違いしてしまったが、結局問題はなかったことがブッシング後に発覚…)。これが510にするか700番台にするかで私を随分悩ませた。

W(ウェバリー)タイプにしたのは、2つのネジ穴が一番離れていたということだけ。気持ち的に、ペグ芯の通る穴からネジ穴が遠い方がビシッと留まってくれそうな感じがした、ただそれだけなんだけど、0.1-2mmの違いとはいえ気になってしまうのである。




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ネジ穴を埋めたら、タッチアップをお忘れなく。自作した増嵩材ゼロの顔料インクが、何と、色を合わせずともそのままタッチアップに使えた。これは思わぬ誤算でホントにラッキーだった。GEやヴィンテージモデルではないので、ネジ穴の加工精度というか仕上げ精度はこんなもんなんだろうか。もう少しエッジや角部分の欠けなんかにも気を使って欲しいなと思わずにはいられなかった。隠れてしまうところなのだけれど、神は細部に宿るのです。

ここからの作業は、とりあえず表面の平面出しとニス重ねを行なって、穴径の広すぎる部分のブッシングをした後に、ようやくペグのセットといった感じになるだろうか。工具はあるけれど、機械がないのでコツコツと進めていくしかないだろう。ヴァイオリンのネックリセットも同時進行しているし、まぁ共に仕事ではなく納期はないので精度を高く進めていければ良い結果が得られることだろう。


次はヘッドの平面出しへと移ることになる。

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by Tashinchu | 2015-10-22 20:30 | Instruments | Comments(0)

17102015

ここ数ヶ月のあいだ、毎月1回づつ静岡へ帰省していることに気付いた。今月も同じく、天気の良い中に帰って来られたのだが、ずっと富士山を見られずにいる。過去4ヶ月のトータルで10日間くらいは静岡に滞在しているのに、今回も間近で見られる迫力ある富士を見ることは叶わずだった。上京の新幹線から頭だけ覗かせたそれが唯一という。次回は絶対に拝ませていただきたいのである。姪っこが大きくなっていたのには驚いた。




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by Tashinchu | 2015-10-17 12:30 | MISC. | Comments(0)

14102015

ネックリセットは順調に進行中。精度の中にも、もう少しスピードが伴ってくると素晴らしいのだが。。。直線・平面は妥協しないでキチッと出すと、隙間なく接ぎ合わされた接着面が何とも美しい一体性を伴って表れてくる。


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その3「ボディ側の加工」はこちら

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by Tashinchu | 2015-10-14 20:00 | Instruments | Comments(0)

12102015

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レグルス、金星、火星、木星
数日前には月、火、水、木、金の全てが並んでいた




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by Tashinchu | 2015-10-12 19:30 | Astronomy | Comments(0)

11102015

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御土産に買ってきたProciuttoを使ってパスタを

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by Tashinchu | 2015-10-11 18:30 | Foods | Comments(0)

04102015

ヴァイオリンのRestorationを行なっていると、やはり無駄なものはなくしたほうが良いことに気付いてくる。どれだけの影響が出ているのか、もしかしたら自分の感覚が勝手にそう解釈しているだけなのかも知れないけれど、ギターのピックガードを外すことにした。剥がした後のポリッシュにも、入手したばかりの品物がどれだけ使えるのか、試したかったというのもかなりある。事実、塗装面を傷つけずにキラッキラに仕上げることが出来て大満足なのであった。

ハッキリ言って劇的な変化はない。搾り出してみると、高音の抜けが良くなったような気がしないでもない。自分はピックでStrumというスタイルではないのでこれでも全く問題はないし、ガットギターには元々ピックガードなんてものは付いていないので、問題はないだろう。焼けの感じがダサくて良い。リセールバリューはこれにて消滅、なのだけど。


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興味深かったのは、マーチンクラックと呼ばれるクラックが微妙に発生しそうな、軽微な要因が現行のOMシリーズでもあるということだろうか。塗装を行なってからピックガードを貼っているので、塗装面と非塗装面+ピックガードの伸縮率の違いに起因するヒビ割れは絶対に起こらないのだが、サウンドホールのロゼッタ(Vnではパーフリング)は多分プラスチックか何かで出来ているので、表板とロゼッタの伸縮の違いによると塗装の割れが発生していることに気が付いた。

中央の一番幅の厚いロゼッタの中心に沿うように、ピックガードは貼られているので、下に隠れている部分は縮むことが出来ず、ロゼッタの白と黒の境目に沿って塗装にヒビが入っていた。また、ピックガードの2つの角(曲面が変化する尖っているところ)と表板の境にも、同じくヒビ割れが発生していた。ピックガード下(焼けてない部分)に入ると途端にヒビがなくなっているから面白い。ヒビと言っても紙が縦に入るような大きなものではないけれど、塗装をしていても経年で少なからず表板に変化が起きるようだ。厳密に言えばプラスチックと木材と塗装のそれぞれを考えないといけないのだけれど、カナダに居たころの乾燥も大きく影響しているのでは無いかと想像する。

そう考えると、ラッカーやポリウレタン塗装も考えもので、要は塗装が硬すぎるという結論に至ってしまう(で良いのだろうか?)。ヴァイオリンは何百年経ってもニスにヒビ割れは発生しない。下手な職人のシェラックニスは割れているけど、ニスの成分と濃度をしっかり調整すれば問題はない。シェラックニスの弱点は剥がれやすいことだろう。でも、剥がれた、もしくは擦れて薄くなってきた時点で塗りなおせば問題はクリアできる訳で、良い意味でちょうど良い特性を持っているとも言えなくない。時が経つとオリジナルをオリジナルとして残すと言うような、変な感情が人間には生まれてくるのをどう処理するかが違う意味での壁になってきそうでもある。

ただの興味で剥がすことにしたピックガードから、以外にも色んなことを考えてしまった。塗装の過度な硬さからビンテージギターの塗装面のヒビ割れが起こるとしたら、「ビンテージのヒビ割れはホント格好いいよね!」という考えには大きな疑問符が点いてしまうのである。ニス・塗装のこともそうだけれど、いっそのことヘリンボーンに換えてしまうのもありかも、なんてまた余計なことが頭をよぎる。
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by Tashinchu | 2015-10-04 14:00 | Instruments | Comments(0)