音・岩・光

<   2014年 12月 ( 12 )   > この月の画像一覧

27122014

大沢ボルダーを後にし、奥多摩から青梅街道に出るあたりで今夜の快晴を確信した。人工物の上で繰り広げられるマジックアワーの空模様にどれくらいの人が気付き、それを楽しんでいるのだろうと思いを巡らせながら帰路を急ぐ。早くに戻らなければならなかった理由は2つあり、1つ目は洗濯物が湿る前に取り込むことで、2つ目は三鷹の国立天文台の定例観望会に参加するためである。


c0238497_13453436.jpg
今回はアルマクを観望する(資料転載許可確認済)。



2回目の観望会なので要領は判っており、受付を済ませて恒例となりつつあるホットレモンをロビーの自販機で購入。年末ということで特製カレンダーも無料で配られており頂いてきた。三鷹キャンパス他で保管・展示されている望遠鏡の写真をあしらえた、見開きA3サイズくらいの壁掛けカレンダーで新満月と上下弦の月の表記がある。出来れば他の天体イベントも書いてくれてあったらと思ったが、それは自分で書き込んでおくことにしよう。

前回参加した際は天王星をメインに、はくちょう座の2重星アルビレオを天文台外に設置された望遠鏡で追加で見させてくれたので、今回はアンドロメダ座の2重星アルマクをメインに、もしかしたらサブ観望はLovejoy彗星になるのではないかと期待していたが、残念ながらこの日の望遠鏡はプレアデス星団(すばる)へと向けられていた。ちょっと残念ではあったが、Lovejoyよりはすばるの方が認知度は高いので仕方がないだろうと思いながらも、アンケートには「Lovejoyが見られたら嬉しいです」と未練たらたらに書かせていただいた。

アルビレオといいアルマクといい、2重星は"アル"が付くものが多いように思い調べてみたらその通りで、山羊座のアル・ギュディ、カラス座のアルゴブラ、しし座のアルギエバにおおぐま座のアルコル(これはちょっと特殊)などなど、アルは「2」という意味を持っていそうな感じである。そして一番の驚きはおうし座の1等星アルデバランで、これも実は2重星なのだとか。アルコルやアルデバランは、それ自体でそれぞれ意味を成しているけれど、"アル"のつく星と2重星の関係は興味深いものである。

夜になっても雲は広がらず、流石に寒かったけれど、アルマクやすばるのようすをくっきりと観望できる最高の観望会だった。都合のつく日には、また応募していこうと思う。


[PR]
by Tashinchu | 2014-12-27 19:30 | Astronomy | Comments(0)

27122014

外岩は今年の3月ぶりなので10ヶ月も岩に触っていなかったことになる。関東初外岩なのに登り納めという妙なテンションの中、奥多摩にある大沢ボルダーへと、冬の寒さが厳しい中だったけれど原付で行ってきた(理由は後ほど)。奥多摩というと手前には御嶽ボルダーが有名で、そこには看板課題の忍者返しがあるのでいつか行ってみたいものだが、この日はそれを横目にひたすら奥へ奥へと入っていった。御嶽のチャート岩はどんなものだろうか、興味は尽きない。ちなみに大沢は慣れ親しんだ石灰岩である。

小平を出発して1時間半ちょっと、昼前に大沢へ到着したものの既に陽は谷の向こう側へ進もうとしており、最初の岩のある辺りには光を落としてくれてはいなかった。先に到着していたNakazato夫妻とCrazeオーナーKazamaさんと合流(+初外岩セッション)し、トラウトカントリー事務所前にあるI岩のSD5級を打ってスタート。これが冷え切った体を温めるためにもってこいくらいのトライをして完登。うんうん、久々の岩はジムとは感触が違うぞと、にんまりしながら5級で手こずる自分に渇である。

時間を持て余すKazama氏は、隣の岩にあるMayflyをあれよと言う間に完登していた(4トライくらいだろうか)。先ごろ怜君と本気勝負してたと聞いていたので、相当強いとは思っていたけどホント強い。というか集中力の差も要因として物凄くあるなと痛感。同じ松坂世代としては、追いつかなければならない妙なプレッシャーと発破を良い意味でかけられたが、指先を使う仕事をするので怪我だけは避けなければならないという、葛藤にも悩まされている現状をまたもや感じたのでもあった。



太陽の場所をR岩に移して、6級課題のロースタートヴァリエーションをトライ。スタート核心のみで、この飛び出しがかなり得意系だったので数回打って完登した。トポには無い課題で、ネット上では初段グレードとなっているがどうなんだろう。初の黒帯をGetしたとしていいのか、初段を1日で登れるわけがないという気持ちが入り混じって、何だか微妙なSentとなった。自分的には準1級あるか無いかくらいで、いいのではと思ったし、KazamaさんやKo-sukeも段はないだろうという見解で合意。新キャプテン翼のフランス戦であった不可解判定のような微妙なグレーディングなので、はっきりと段表記のある課題を登り、準を純にして正真正銘の黒帯を獲ったと言いたいものである。まぁ登れたことは収穫なので満足満足だし、とりあえずこれでリード最高グレードとボルダリンググレードが一致したことになる。


c0238497_11171098.jpg
それなりに掛かるカチとカチ甘ホールドから6級へ繋げるバリエーションが、その課題





核心はご覧の通り、出だしの1手のみ。初手マッチをスタートとするのが6級課題で、これはAyakoちゃんもGet。




上流へと進みながらゴロゴロと転がっている岩とトポをマッチングしていく。初めてなので色々見て触ってみたい気持ちが募るが初めての岩場は、表記が曖昧というのもあったかも知れないがどれがどれだか良く判らない。全員が初めてなので余計にそういった部分があったように思う。次回はこれをという課題が帰宅後のYoutube鑑賞で見つかったので、次回戻ってくることがあればそれを目指して行こうと思う。


c0238497_11171571.jpg
看板課題のニラを登るKazama氏(勿論完登)



大沢ボルダーは先出のトラウトカントリー敷地内にあるので、その営業時間内で登ることがルールである(ナイトボルダー厳禁!)。そのタイムリミットよりも先に自分は帰る必要があるので、冬季の営業時間は16:30までだったが16:00前に自分は自宅へ引き返し始めた。直前まで、下流にある岩でSolidを打ってみるが核心部を解決できずに終了。これはクロスかマッチの抜け道があるらしいが、両方共に今の保持力では難しい感じがしたし、何より左手薬指にかかる痛みが半端ない。核心後のジャミングも苦手なのでもう少し成長したら戻ってこようか、、、という感じである。

c0238497_11171971.jpg
c0238497_11172581.jpg
非常に面白いカタチをした岩だった




グレードにはこだわって行きたいけれど今の優先順位はそこではないところを、どう両立していくかを考えている最近。この日Kazamaさんのする僕らの登りに対する指摘が、非常に効果的なもので有効だったことが自分には大きな収穫だった。というのは、学業と仕事の合間にジムで登ることとなるので、時間は限られてくるし効率良く登る必要が出てくる訳で、色々と指摘をしてくれるのは非常に有り難い。この日は長い時間にわたってKazama氏と話・セッションが出来たので、彼のジムで僕の苦手な部分を押し上げるような課題をその場で設定してくれるという、両立への解決策も見つかったのは少し遅れたクリスマスプレゼントという感じがした。ジムが少し遠いなどの理由でルーチンとしていくには、まだまだ調整する箇所は多いが今後も盲目的に登ることはせずに苦手を減らすトレーニングをしていこうと思う。さてさて、長所を伸ばすのと弱点を減らす、どちらがBetterなんだろうか。



[PR]
by Tashinchu | 2014-12-27 12:00 | Climbing/Hiking | Comments(0)

26122014

c0238497_10144347.jpg
2013年末に、ISON彗星と一緒に話題となったLovejoy彗星(C/2013 R1)とは別のLovejoy彗星(C/2014 Q2)が身頃を迎えつつあるので、東京の街中でも捉えられるものなのかチャレンジしてみた。手っ取り早く言えば結果は惨敗。上の写真は判りやすくする為にトリミングしたもので、中央のぼわっとしたものがLovejoy彗星なのだが、スタックする気も無いほどの結果にそそくさとカメラを引き揚げて帰宅した。

SP赤道儀のようなものも無く、極軸望遠鏡無しポラリエでガイドしつつED50-200mmSWDでは、これが限界だろう。ちょうどこの頃は月の影響が少ない時期ではあったが、30秒も露出すると写真全体が明るくなってしまうほどの光害状況で、これでは奥多摩方面まで足を延ばさなければならないのだと、原付しか持っていない自分には実現がほぼ不可能なことを思い知らされた。けれども、彗星を写すことには成功したし、アウトバーストなどでもう少し等級が増せば、東京でも肉眼で見られそうな感触はあるので2016年初旬の彗星状況に期待したいところである。そして撮影に関しても、尾が何となくでも写ってくれたらと思うのだった。






[PR]
by Tashinchu | 2014-12-26 20:30 | Astronomy | Comments(0)

25122014

c0238497_10542872.jpg
月と土星(左下)の再接近


12月20日の明け方にも月と土星の大接近はあったのだが、生憎の曇りと雨でそのようすを捉えることは出来なかった。ちょうど実家に帰っていた折で、望遠鏡を使って直焦点撮影が出来るぞと楽しみにしていたのだけれどそれは叶わず。望遠ズームの135mm(換算270mm)辺りで撮影したものを200mm画角くらいになるようにトリミングしたもの。

この日は自分の誕生日で、冬至を過ぎて月齢を増してきた月を見ながらBirthday Cakeを満月から半月まで一気に減らしてしまったのには驚いたが、3年ぶりにミサオと祝うことが出来たのが何より嬉しい。思えば最後に一緒に祝ったのはTim Hortonsのキャンプだったのだから、相当前になるんだなと驚いてしまった。前日にもサプライズでNakazato夫妻にお祝いとケーキを頂いてしまい、年末はかなりケーキ三昧である。

さて、今年の冬至(12月22日)は特別な冬至だった。冬至と新月が重なる朔旦冬至(さくたんとうじ)というらしく、なかなか巡ってこないレアな冬至だった。新月は旧暦では大事な日とされていて必ず元日が新月になる。月の運行を基準にして作られた暦なので当たり前ではあるが、新たな月の始まりにそのエネルギーをもらうというような意味合いがあったのだろう。2014年の元日も新月だったので、今年はなかなか月の運行が面白い(ブルームーンやブラックムーンなど)1年だったように思う。

新月が新たな月の誕生エネルギーと考えると、満月はそこから欠けながら進んで行くのでエネルギーを失う運命になるのだろうか。今上天皇誕生日は12月23日。もし冬至が満月と重なった場合に、それが少なからず影響を与えるとしたらなどと想像してしまった。浅いネット検索情報によると、昭和63年(1988年)の冬至は12月23日で満月、昭和天皇の誕生日は4月29日なので関係しているはずが全く無いが、その翌年昭和64年の1月7日に崩御されている。1月7日の月例は新月の1つ手前で28.9で、1月8日が新月となり新しい元号の平成がこの日から始まっている。これは単なる偶然だろうが驚いた。

皇太子徳仁親王の誕生日は2月23日。2016年の2月23日は満月らしく、もし(、本当に"もし"であるが)来年に平成が、つまり次の新月である3月9日に新元号が、と不謹慎ながら想像してしまった。
大正から昭和への満ち欠けの影響は皆無なので、今上天皇にはご健康ですごされて欲しいとお祈りするばかりである。





[PR]
by Tashinchu | 2014-12-25 19:00 | Astronomy | Comments(0)

23122014

ヴァイオリン職人の探求と推理の続編が出たので購入した。新書を買うのは久しぶりである。大学卒業のときに頂いた図書カードが残っていたので、帰省した際にそれを10ウン年ぶりに引き出しから引っ張り出してきた。「一の」の凧を揚げる浜松某区に住む美術教師兼剣道部顧問が、学生時代に描いた作品がそのまま図書カードの表紙を飾っていることを本人はまだ覚えているだろうか。従姉妹が同じ地区に住んでいたので、大学時代に1度だけ浜松祭りに参加したことが昨日のように思い出されるのは、今回購入した本の中に登場するヴァイオリンと楽器の町である浜松がリンクしたことも大きく影響しているように思われた。



c0238497_11135146.jpg
ヴァイオリン職人と天才音楽家の秘密


前作ではアントニオ・ストラディヴァリの製作した楽器「ル・メシー(メシア)」に焦点が当てられていたが、続編となる本作では、もうひとりの巨匠グァルネリ・デル・ジェスの名器「イル・カノーネ(カノン)」と、それを生涯にわたって愛用したニコロ・パガニーニにスポットが当てられており、本作でも著者のクラシック音楽(と業界)への深い造詣とイマジネーションが屋台骨となって、物語に豊かな奥行きをもたらしてくれている。

パガニーニといえば24の奇想曲やヴァイオリン協奏曲を思い浮かべる人が多いだろう。その超絶技巧を駆使して時代の寵児となった、彼を取り巻く親子の関係と女性関係が物語の登場人物ともある意味で相似している点など、クラシック音楽好きはニヤリとするところが満載で面白い。今回もほぼ一気に読み終えてしまった。

グァルネリを知らない人はThe BeatlesのJohn LennonとPaul McCartneyの関係性を思い浮かべてみると良いだろう。何かと優等生なポールがストラディヴァリ、ストレートな感情を表現したジョンがグァルネリとも言える。直木賞がストラディヴァリで芥川賞がグァルネリと言えなくも無いが、区別しすぎると元の良さが台無しになってしまうので、興味のある人は調べてみるといいと想う。兎に角、この2大巨匠とその楽器が未だに多くの音楽家と聴衆を魅了してやまないことは確かだろう。

パガニーニはロバート・ジョンソンのエピソードの起点ともなった人物ではないかと、自分は思っていたりもするのだがどうだろう。二人とも、悪魔に魂を売ってその超絶なる技術を手に入れている(らしい)話は同じだし、所有している楽器がヴァイオリンとギターという弦楽器な点でも両者は共通している。超絶技巧のピアノ部門ではリストが有名だが、彼はパガニーニの演奏を見て「ピアノのパガニーニになる」といったそうだ。凄いワザを持っていると何でもかんでも神や悪魔の仕業にしてしまうのは、彼らの絶え間ない努力をないがしろにしてしまうので好まない人も多いだろうが、今までに体験したことの無いモノに出会ったときに感じる、畏敬の気持ちがそうさせている気もしてくる。宇宙人もそういった類にカテゴライズすれば、色々と面倒なしがらみも越えて円満に解決というか妥協点が見えてくるように思うのは僕だけではないはずだ。

話が逸れてしまったが、想像する力(に加えて緻密な計算が小説には必要だが)は豊かな物語を提供してくれるし、ものごとの上手い落としどころにも気付かせてくれるヒントを与えてくれるんだろうなと、この記事を書きながらしみじみ感じたのである。2015年はどんな本に出会えるのか、今から楽しみだ。



[PR]
by Tashinchu | 2014-12-23 18:00 | Books | Comments(0)

22122014

師走の上下


c0238497_08244611.jpg

c0238497_08214486.jpg

[PR]
by Tashinchu | 2014-12-22 11:00 | Photograph | Comments(0)

21122014

田舎の実家よりも東京のアパートのほうが寒いのはどういう訳だろう。冷えたコンクリートだらけのビル街は、確かにそのまま氷の塔が建っているようなものであるのだが、都会の冬が寒いのはなるほど間違いではなさそうである。年末年始の混雑を避ける目的と、冬物を持参せずに引っ越してきたため冬服の回収も兼ねて、週末だけ実家へ帰省した。よくもまぁ12月も後半までタイツやニット無しで生活できたものだと、自分にもビックリしたというのが正直なところだ。

日曜日、大井川鐵道井川線に約20年ぶりに乗車した。同鉄道会社のカレンダーを買うと無料乗車招待券が1枚ついてくるらしく、実家にて保存されている招待券を使うべく、妹夫婦と一緒にのんびり1時間少し列車に揺られることにした。本来であればその路線名にある井川地区まで路線は延びているが、(今年か?)大雨で崩れた箇所が復旧していない為、終点の井川駅までではなく、手前の接阻峡温泉までの約10kmのみの乗車である。
c0238497_13265574.jpg
招待券は1枚だけなので切符を購入。Suicaや自動改札しか知らない人も多くなってきているであろう昨今、切符の「切る」という字の由来を改めて実感できる数少ない機会であろう。東京駅の記念Suicaに殺到したNewsとは真逆の世界が未だここにはある。



井川線は日本で唯一のアプト式を採用した路線である。アプトといってピンと来る人は、なかなかの鉄道通だろう。自分も変な名前のシステムだと開始当初は思っていた。平成の初め、大井川の上流部に長島ダムが建設されるのに伴い、当時の路線はダムに水没することになった。ダム手前の河床付近からダム湖よりも上に線路を引くとなると、その区間はかなりの急勾配となってしまい、通常の軌間車輌だけではその勾配を登りきれない(下りも同じく)。これを解決する為、歯車を搭載した車輌を連結して上り下りするアプト方式をとったという訳だ。

90パーミル(水平方向に1000m進むと90m上がる)の勾配は日本一なのだそう。列車に乗っていて耳抜きをするのはトンネルの中だけではないことをここでは体験できる。立山・黒部のケーブルカーでもそれは同じだが、山肌の起伏に合わせるように敷かれた曲がりくねった線路の上を進むアプト式は、直進的なケーブルカーやゆっくりと高度を上げていくスイッチバックでは味わえない景観と感動を味わわせてくれる。接阻峡温泉駅~井川駅間には高さ100mもある鉄橋の上を走る箇所もあり、それも併せて登山鉄道の醍醐味を井川線では存分に楽しめるので、是非とも全線が復旧して欲しい。



出発は千頭駅(標高299.8m)である。ここには夏に好評を博したきかんしゃトーマスの友達であるHiroが、捕まった犯人のように顔に覆いをされて保管されているのも見ることが出来る。駅のスタッフ曰く「顔は取っちゃってありますからねぇ」だそうだ。この日の乗客は僕たちを含め10名ほどで、3両ある車輌に分かれて乗り込んだので貸しきり状態で楽しむことができた。自分は写真を撮りたかったので、窓の開閉ができる3両目に乗り込んだが、この車輌は暖房が効いていないので注意が必要である。車窓からの景色は、基本的に進行方向へ向かって右側にしかないので、シーズン時に(混雑するのかは判らないが)座るなら断然右側が良いだろう。座席も通路の右側は2人掛けで左が1人掛けになっており、非対称な感じが山岳鉄道さを更に盛り上げているように思えた。


c0238497_15162095.jpg

前日に降った雨の影響で、線路上に落石があったりする。しかしスピードは自転車ほどしかないので充分に手前で安全に止まることが出来るのも微笑ましい。線路上に降りて障害物をどかすところも見られてしまうくらい、のんびりとした時間が流れていく。手前の枕木右にある石も、そうやってどかされたものなのかも知れない。

c0238497_15163215.jpg



出発して直後の大井川右岸から朝日岳を望む。青々した快晴の空に赤い橋脚は良く栄えるもので、この日の青空と赤い人工物とのコントラストは一際僕の脳裏に焼きついた。

c0238497_15162652.jpg
c0238497_09302826.jpg
c0238497_15164447.jpg
2枚目も朝日岳、3枚目は奥大井湖上駅手前の鉄橋に差し掛かる辺り。2013年秋にこのダム湖をカヤッキングしたのが懐かしい。







アプト車輌の連結は、下りの場合はアプトいちしろ駅で行なわれる。路線全線でアプト車輌を連結するわけではなく、アプトいちしろ駅(標高396m)-長島ダム駅(標高485m)間の1.5kmのみの運行となり、両駅でアプト車輌の連結と解除が行なわれるので10分弱ほど駅に停車することになる。数分毎にやってくるようなダイヤでないことが、この停車を可能にしており、連結の模様は下車して真横で見物できてしまうのがまた面白い。時間に追われずのんびりいきたいものである。アプト車輌が連結されている区間で電柱と電線が現われるが、景色への影響を最小限に配慮してくれているのも有り難い。通常車輌はディーゼル車なので、アプト車の助けを借りていない区間は、先の写真でも判る通り電柱がフレームに入ることなどが無いのが嬉しく、小さなことではあるがポイントが高い。

c0238497_15163999.jpg
c0238497_15173323.jpg
車輌の下に出ているこの歯車が、レールの間に敷かれたギア部をしっかりつかんで急勾配を登っていく仕組みである。そのためこの区間では平行に走る2本のレールの他に、ギアのレールをその中央に見ることが出来る。またアプト区間は新しく整備されているので、当初資材運搬用で建設された旧線とは、見え方も変わって文明的で新しい印象を受けるはずである。電柱と電線に線路上のギア部やコンクリートで整備された治山といい、この区間は昭和の面影というよりはちょっと賑やかで平成的(という言葉があるかは判らない)なニオイを感じられるのではないだろうか。こういったニオイは他にも色々あるが、是非ともその目で確かめて欲しいところである。



接阻峡温泉駅(標高496m)で迎えに来てくれた、というよりは千頭駅から追いかけてくれた両親の車に乗って帰宅。とその前に、同駅から徒歩数分のところにある研修館へ寄って、昭和初期の奥大井の歴史を探訪した。この辺りにはその昔、金鉱があったらしく今でも極々僅かではあるが砂金が採れるのだそうだ。場所といい佇まいといい、なんだかYukon準州のDawson Cityのような雰囲気がしてくるのは自分だけだろうが、温泉がある点で少しだけ、日本らしさが際立ってくるようにも思うのだった。豊かな動植物の説明や標本も興味深い。(南アルプス最南部稜線の写真の注釈が違っていたのは直してもらえただろうか。)


c0238497_15165141.jpg

館をあとにしてダム湖周遊散策路も歩くことにした。橋げたと橋板が階段式の吊り橋には熊か何かのフンが落ちていたが(違う意味でAnimal path)、鳥の鳴き声を聞きながら冬化粧した奥大井の山々を眺めて進むのは気持ちが良い。最後の吊り橋前では勿論登るしかないでしょうという壁を攀じ登る。Isseiもチャレンジしていたが、どうだろう、釣りもいいけどボルダリングもやってみないか?と思うのだった。そんなことをしていたので、更に長々と両親を車で待たせてしまった訳であるが。。。もちろん、井川線に乗車中、良さそうなエリアを発見してしまったことは内緒にしておく。いい表情をしたチャート岩がゴロゴロしていた、とだけ書いておくことにしよう。
c0238497_09411628.jpg
そこに壁があるから(7Q or V0)


[PR]
by Tashinchu | 2014-12-21 10:10 | Sightseeing | Comments(0)

10122014

嬉しいことに、勉強している道で仕事を頂くことが出来た。まだまだ職人のショの字も無い自分だが、こういう経験をさせてもらえるのは本当に有り難く嬉しいことである。私を指名してくれた楽器店、指導をしてくれる講師陣、理解のある妻と両親に本当に感謝感謝である。

ヴァイオリン弓のオーバーホールを仰せつかった。しかも1ダースも。今まで漠然としか見ていなかったことが多すぎたことに、驚きまた惹き込まれる瞬間が大好きである。同時にそういったアンテナを張れて居なかったことに凹むのだが、気付いた(気付かされた)だけ良しとしようと思えるように成ってきたのは成長なのか30を過ぎたからなのか、どちらにせよ守備範囲が広がることはプラスだろう。

体験して身に付くものが多いし大きい。今後も修行あるのみ、である。


c0238497_19113907.jpg
c0238497_19324470.jpg
銀線と革の巻き直し




c0238497_19114434.jpg
c0238497_19263521.jpg
c0238497_19120341.jpg
c0238497_19231592.jpg
チップの交換










[PR]
by Tashinchu | 2014-12-10 18:00 | Instruments | Comments(0)

06122014

この日はCrazeで宿題を終わらせつつ課題づくり。前回作っておいた2課題に挑戦しながら、4-5級あたりの課題つくるはずが3-4級になってしまい、翌日に誕生日を迎えるAyakoちゃんへの課題プレゼントにはならなかった。

まずは前回の宿題から。一番斜度のある130度壁(2Fには170度のルーフがある!)の端っこにある4ホールドだけのシンプルなものだが、ヘタレていたときに作ったので前回はゴール取りでの体幹がヨレていて完登出来ずで終わっていた。この日は1便目でSent。乗り込んでから起き上がってのアンダー取りを意図した122度壁の課題は、キーとなる左手ホールドが思ったよりも良くなかった(ので、これも3-4級になった)ため、ちょっと手こずって4トライも掛かってしまった。ホールドに触らず課題を作ると、そういったことが起きる。つまりオブザベ的ホールド観察力がまだまだということであるのだが。。。別の宿題となっていた130度壁の2級ジム課題も、この日はフレッシュだったのかサクッと登れて調子は良い感じ。1級や初段を触らなきゃいけないのは判っているのだが、その日に収穫が欲しいと思うと低きに流れてしまうなぁ、と反省。

さて、作った課題は2本。ボテを利用した4級を114度壁に1つと、富士川ボルダーを思い出しながら作ったバランシーな3級を90度壁に。ボテ利用は最後が核心で、掛かる方向の悪いボテを攻略してゴール取りを目指すもの。2便目で完登できた。3級課題はスローパーばっかりなのをつなげていくもので、垂壁を考慮して(?)足も悪目に設定しておいた。ちゃんとホールドの持ち方を考えると足にも乗れるので、そこまで劇悪ではないはず。ちゃんと乗らないとリーチィなのもお気に入りではある。5-6回トライしてようやくスタートからゴールまで繋がった。難しいグレードをサクサク登れる訳ではない自分が作る課題なので、あまり面白くないかも知れないけれど、後日談ではこれらにトライしてくれるお客さんで賑わってくれたらしい。今後は段グレードも登れるようになって、意図やねらいのある課題が生み出せるようになれたら嬉しいなと思う。ルート設定は奥が深い。

閉店後、一旦ジムの外で待機しMisaoと合流してから、Ayakoちゃんのバースディサプライズパーティを同ジムに戻って開催。ボルダリングW杯Canmore大会に出場していたRay君も駆けつけてくれて、いわゆる久々の再会なんだけれど御互いにその事実をAyakoちゃんから聞いて驚く、と言った感じだった。共に記憶を探りのSecond Ice Breakingと近況報告。あの日あそこにいた3人が、同じクライミングを通して今度は日本で会っている不思議。クライミングの世界は狭いというか、密な世界だなと感じる。


c0238497_19053978.jpg
証拠写真だが、撮影者の自分は写っていない。肖像権がと心配していたのを思い出す。




この日のNakazato夫妻はCraze常連さんと外岩だったようで、パーティはプロテインを補給するため肉にくニク!!A5ランクの肉は口の中で溶けて行きました。アルバータの赤みオンリーなステーキが懐かしく感じられた。新しくクライマー友達も出来たし、彼らは同じくらいのグレードを登るのでセッション出来たらさぞ面白いだろう。週1くらいで通えると良いのだけれど、少し遠いのが難点か。最寄のランナウトでもセッション仲間が出来た(忘年会や定例会に声が掛かるようになったのがホント嬉しい)ので、段前グレードに取り残されないようにしがみついていこうと思う。



c0238497_09445315.jpg
Happy birthday Ayako-chan!! Keep climb and smiling.

[PR]
by Tashinchu | 2014-12-06 21:00 | Climbing/Hiking | Comments(0)

05122014

市立図書館の図書カードを作った。理由は簡単、買うより借りればいいじゃないか、である。読みたい本が元々あったのでBOOKOFFやAmazonで古本を探していたのだけれど、それを脇で見ていたミサオが「だったら図書館で借りればいいじゃん」の一言であった。住んでいるところから市立図書館へは自転車で5分も掛からない。更に、小平市の図書カードで隣接する市(東村山市、西東京市、清瀬市、東久留米市、国分寺市)の図書も借りることが出来るのだ。もう探せない本は無いんじゃないかと思うようなサービスである。ちなみに前の記事のはやぶさ2関連の本も図書館で借りてきたのだが、発売から僅かの時間で所蔵になっている辺り、都市部の図書館はビックリするほどスピーディで驚く。





c0238497_12352174.jpg




c0238497_12482870.jpg
弓と禅



学生の頃は弓道をやっていたことが影響して、久々に弓道関係の本は無いものかと探していたら、この本というか人物に出会った。オイゲン・ヘリゲルである。彼はドイツ出身の哲学者で、東洋思想の真髄を得るために大正時代の日本へやってきていた。もちろん主たる目的(建前だったか?)は日本の大学の講師として勤めることで、その傍らで弓道にのめりこんでいったというのが正解かも知れないが、その熱意と努力が両書から伝わってくる。

ヘリゲル氏は理論的な説明がしづらい東洋の世界観(悟りなど)を、弓道を通して自身の中に落とし込むことで解釈しようと勤め、結局それに成功したことがこの本から伺える。論理的で科学的な側面からの理解を善とする西洋的精神に育った彼が、非合理的で直感的な東洋の志向と実践を、思弁的に捉えようとする道をとらなかったことに最初は驚いたけれど、本文を読んでいるとドイツ人特有(と思うのは自分のイメイジなんだろうが)の、徹底的な探究心が彼を突き動かしていたのではないかと思うに至った。しかも、その過程について冷静に分析しながら、彼なりの仮説や実践を重ねて終には奥義に到達する過程を詳細に、そして言葉にするのに難儀するであろう脳内での理解過程といった、微妙な表現説明も明確にまとめられているところに凄さを感じられずにはいられない。文章構成力は哲学者であった彼の得意とするところであろうが、よくぞまぁ文章に仕立ててくれたと感謝したいほどである。

弓道についての内容ではあるものの、奥義体得までのプロセスはビジネス書の側面も持ち合わせているし、彼自身の伝記というか一種の物語小説としても楽しめるものとなっているので、弓道に興味がない人でも読み進められるのも素晴らしい。目的達成へのプロセスを如何に情熱的に持続させていくかについてのヒントをもらったようで、今後の自身の生活に取り入れていかない手は無いと感じた。


時期としてはブルーノ・タウトと同じ世代ということになる。このころの日本は江戸時代の空気をまだ残していたのだろうか ―いつの時代も過去に対する距離感なしには語れないのだろう― 維新直後の日本人が置き去りにしたものを、西洋出身の両人によってその価値を認識させられているあたり、今の日本にも大いに当てはまっている点は奇妙であり残念でもあるが、非常に良い本に出会えたことに感謝したい。



[PR]
by Tashinchu | 2014-12-05 17:00 | Books | Comments(0)