2017年 11月 13日
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キヤノンギャラリーで開催中の、荒木則行さんの個展「刻印」へ。
写真展は圧巻のひとこと。ひとことで締められるほど簡単なものではないけど、とにかく上質の写真は有無を言わせぬ本物の姿をしていることを実感。フォトショなんかでバキバキに添加物を入れまくった写真にはちょっとお腹がいっぱいな状態なので、レリーズを押す前に極限まで練りに練られた設定とタイミングをすると、ここまでのものが浮かび上がってくるのか!と大変驚いた。誰もが認める高級紙ハーネミューレに描き出された色とトーン。A3用紙1枚1,000円超えとか、失敗したくないしヘッド詰まりとかしてくれるなよ!って感じだけど、良いものには理由があるんだなぁ。
平日のお昼過ぎということで混み合ってはおらず、荒木さん本人と20分ほど直接話も出来たし充実した時空間を楽しむことができた。作品の設営・展示のこぼれ話や、何を彼が伝えたいのか、感じとるには何が自分(僕)に足りないのか、一流とは何か、僕の職人仕事との共通項などなど、僕の素人な質問や疑問にも丁寧に答えてくれたし、職種は違えど目指すところは削ぎ落としていくと根幹は一緒であることを確認できたのが嬉しい。こつこつと、一見無駄に思えることでも、ひとつひとつクリアしていかなきゃなぁと思う。
彼が配信しているポッドキャストPhotoralismは、聴く人を選ぶけど、素晴らしい写真に出会ったときに「機材は何ですか?設定は?絞りは?」とか聞かない人には楽しめる内容なので、是非聞いてみて欲しい。いつもは声だけでしか聞けなかった荒木さんと直に会話ができる日がくるとは、カメラを持ってきた自分にとって午後の時間が写欲まみれになったのは言うまでもない。
午前中に所用、その後修理道具の加工や備品購入なんかもあって、この日は1日中歩き回っていた。メトロ駅東銀座で下車して、最寄の出口へ出たかったのだけど、メトロがやってる駅スタンプを捺すためには、遠くの改札を一度出なければならず、そしたらこんなものを駅スタッフが持たせてくれた。これでICカードや切符を目的の改札で通さなくても出られる仕組み。こういうところは結構アナログで好きになった。最近は携帯やスマホのカメラも解像度がアップしているので、こういった写真から指紋を抜かれることもあるらしい。こわやこわや。
by Tashinchu
| 2017-11-13 13:00
| Photograph