2016年 11月 16日
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スーパームーンなんかよりも、レアで必視の天文現象が2日後に起きるとあれば、例え寒くても翌日が仕事でも真夜中にだって早朝にだって起きて観る、はずだけどスーパームーンがそうだったように天気には勝てないもの。今回は天気予報はどんな感じか心配していたけれど、昼間から雲は出てはおらず、夜~明け方にかけてもクリアな夜空が見られそうな感じだった。
時計で言うと11時半の短針の位置にアルデバランが今まさに隠されようとしているのが判る。約3時間後に短針5時方向に出現することになり、その方向は陰が薄っすら出来ているので、例のパッと現われる現象が見られる、という感じ。月とアルデバランの位置関係が1枚目とは全く違うのは、狙いを定めていた三脚方向に月がおらず、眠気のせいもあって適当に手持ちで撮りだしたからという理由。構図を同一にしようとすると、ベランダからなので上の階の建物の縁やベランダのフェンス?が入ってしまうし、仕方なしにこんな感じになってます。
動画を再度トライしてみたら、アルデバランはぼんやりと映ってくれた(拡大表示でね)のでテンションは上がったけれど、上げ過ぎると眠れなくなるし、三脚を再セットしていると潜入してしまいそうだったので、そのまま望遠レンズを見ながら食の発生を、、、と考えを巡らせていたら隠れていた。。。テンションガタ落ちで、出現は見なくて良いかという意識に変わり、そのまま片付けもそこそこに就寝したのでありました。
出現動画は是非にだったけど、出現時の方向に三脚をセットするには庭に出ないといけないし、換算800mmでは迫力もないだろうしという眠気の結論。結局のところ、手持ちの状態でファインダーから月を見ると、月が明るすぎてアルデバランはやっぱり見えないし、盛大にブレて見えるのでやっぱり望遠鏡が一番なのかなと感じた。一番良い方法としては、三脚セット後にライブビューを起動して背面液晶で拡大表示して出現を観る、これが手持ちの機材ではベストなのかも。その背面液晶をiPhoneで動画に納めればめでたしめでたし、だけどそこまでする元気は無かった。
アルデバラン食は結構な頻度で起きているので、月がもっと痩せているときに再調整してみようと思う。アルデバランは月の道上にいるんだなと。明るく輝く金星が隠されたりしたら「今夜は金星食!」みたいにニュースになるかも知れない、などとも考えてしまった。結局、肝心の潜入の瞬間も出現の瞬間観ることなく終わったアルデバラン食。代償は翌日昼間の眠気でしょうか。。。
日食は太陽が月に隠され、月食は月が地球の陰に入るのでそう呼ばれている。隠される対象が食の前に付いて名前となるなら、今回起こる天文現象はアルデバラン食となる。正式にもそう呼ばれているし、なるほどちゃんと命名ルールがあって規則正しく定義づけられているんだというのが感想。そう考えるとスーパームーンって、、、となるんだよなぁ。ただの満月な訳だし。。。嫌いじゃないんだけどね。
牡牛座の1等星アルデバランが月の後ろを通過する(正確には月が手前を横切る)のが今回の目玉現象。月は一晩でもゆっくりと移動しているので、動いている先に目立つ星があればそれを隠すように進んで行くことになり今回のような食が起きる。一番注目したいのはアルデバランなどの恒星が月に隠されるとき、月が満月でなく半月や三日月など場合で、陰になっている側から隠されると、いきなりパッと星が消えてなくなるように見えることだろう。今回のアルデバラン食はその逆で、隠されるときは月の光っている側の縁から普通に潜入していくけれど、月の後ろから出てくるときには、陰側から出現するので黒い夜空の中に突然星が輝き発生したように見えることだろう。
残念ながら肉眼では観られず双眼鏡や望遠鏡なんかで楽しむしかないんだけど(それがニュースなどで取り上げられない理由のひとつだろうな)、なかなかこういう機会はないので、夜中の2時半~3時半にかけてのイベントだったにも関わらず、目覚ましをかけて臨んでみることにした。出来れば動画をと思ったけれど、満月から2日しか経っておらず月の光量が凄すぎてアルデバランが映らずといった感じ。陰の部分も少ないので出現時のインパクトにも欠けるかも知れない。実は今年の5月のGW中にもアルデバラン食は起こっていて、しかも細い三日月の陰にという絶好の食だったのだけど、日没だったか日の出近くの地平線付近の出来事で、天気はどうだったか覚えてないけど見られなかった。ということで半年振りのイベントに心が躍る。そうなるとスーパームーンよりレアでは無いかも知れないんだけど。
上の写真は夜11時半頃に露出の具合などを見るために試し撮りしたときのもの。左下にポツと見えているのがアルデバラン。月の直径2.5倍あたりまで近づいてきている。ということは、食が始まるのは2時半くらいなので月は1時間でほぼ月1つ分弱動くことになるのか、などなど発見があって面白い。
by Tashinchu
| 2016-11-16 02:00
| Astronomy